コンプライアンス(法令順守)は現在の建設産業で最も重要なキーワードだ。脱・談合を標榜する建設産業にとって、中心に据えるべき法令は独占禁止法である。しかし、これにとどまらず、姉歯事件に端を発した耐震構造偽装、一括下請、優越的地位の乱用、贈収賄、労働災害、土壌汚染などコンプライアンスは広く対応が求められる。コンプライアンス研究の第一人者である郷原信郎桐蔭横浜大学コンプライアンス研究センター長は、コンプライアンスを単に法令順守とするのは誤りだとし、「社会的要請に応え、しなやかに鋭敏に反応し目的を実現していくこと」とする。
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このため、(1)方針の明確化(2)組織の構築(8)予防的コンプライアンス(4)治療的コンプライアンス(5)環境整備コンプライアンスの5点によるフルセット・コンプライアンスに取り組むべきだとしている。つまり、法令順守という「形」ではなく、社会に対応した「実効性」のある運動論として位置づけている。建設業団体もコンプライアンスを最優先課題にしている。日本建設業団体連合会は2007年8月、会長を委員長とする企業行動特別委員会を開き、コンプライアンスの徹底へ向けた効果的なシステムやCSR(企業の社会的責任)ガイダンスの作成に取り組む。