食器の洗い方には、家ごと人ごとの細かい違いがある。身内の祝い事などで、同じ敷地内にある母の家に私と弟たちの家族が集まってパーティまがいのことをした後、女性たちは準備でたいへんだったからというわけで、後片付けは男どもが手伝って食器洗いを担当することがある。まどうせ酔っ払っている状態でやることだから、最後の始末はまた女性に回るのだが、水を撥わかし放題にしつつも洗うことは洗う。そういう時はマメな末弟がその場を取り仕切りがちになるのだが、彼は食器から残り滓をザッと洗い流した後に、洗剤を薄めた液を入れた洗い桶にまとめてつけ、しばらくしてから取り出して洗い流す。
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このやり方だと汚れはほとんど浮いてくるから、力を入れて食器をこする必要がない。したがって利き腕の右手に食器をもち、左手のスポンジで軽く洗い流せるので、食器を持った右手で右側に洗い上げる動作が自然だ。母の家の台所の洗い上げはちょうどそうなっている。これは弟の家の台所がダブルーシンクで、普段からその小さいほうの槽に薄めた洗剤を満たして食器をつける方法をとっているかららしい。実はわが家もダブルーシンクなのだが、これは左右の槽の大きさが等しい欧米型なので、洗い桶代わりにするには大きすぎる。そこで私は洗剤を含ませたスポンジを右手に持って左手の食器をこする方法をとるので、弟との連携プレーがスムーズにいかない。一般的に言うと、こする力と角度をコントロールするためには私のように、利き腕側(たいていは右)でスポンジを持ち、もう一方の手(左)で食器を持つ場合が多いようだが、食器を慎重に扱う人はむしろ利き腕に食器を持って確実に支えるのも一つの考え方として納得できる。洗い上げ場の位置はこれで違ってくるので、前者の場合はシンクの左に、後者の場合はシンクの右に洗い上げ場があると使いやすい。