全国住まい総合辞典 

職人に仕事を発注している時

2011.10.14

人間にとって自尊心(=プライド)を失うことは、餓鬼界に行くことで犬、猫、鼠たちと何等変わらない生き物になってしまい、「己だけが生きて行ければ良い」という利己主義に落ち入ってしまいます。それでは命を繋いでいるだけで、富を造りだすことはなく、出口の見えない世界に入ってしまいます。近代経済学のケインズは出口の見えない世界を解決する手段を『功利主義』に求めました。功利主義とは、常に次の利を求める生き方です。今この時だけが良ければよいという考え方をした瞬間、次に来ることなど何等考えもせず無視してしまい、結果的に最悪な事態を招くことが多くあります。工事管理においては「次工程を考える段取り」をせよ、と言われています。「自分の工程だけが良ければよい」という自分勝手な作業をすることは利己主義的な生き方そのものです。それはプライド(=自尊心)を捨てた生き方で、そのような作業をした職人は必ず次の仕事をさせてもらえないはずです。そうでしょう。あなたが職人に仕事を発注している時には、そのようにしているはずです。設計士の頭越しにお客様とVE交渉することは、設計士のプライド(=自尊心)を無視することになり、その結果は最悪の事態を招くことを予想しなければなりません。世の中の仕事の仕方は、手順を踏むことです。「私は根回しをする生き方が嫌いです。裏でこそこそするなんて許せないですよ。」「いい年をして、いつまで近視限的な考え方しかできないのかな。あなただって突然に言われて返事ができないことがあるでしょう。そのためには事前に詳細な話をしておき、会議などで賛否をとることが根回しというものだよ。」

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